【海外研究】社員の貯蓄を増やすナッジ介入
概要
会社員に対し貯蓄の積み立てを促すためのナッジ介入を行った実験。アメリカの3つの企業(1社目:製造業、2社目鉄鋼業、3社目電力会社)の従業員を対象に実験を行った。
介入群は、Save More Tomorrow(SMarTプログラム)という、将来の昇給の一部を退職後の貯蓄に回すことを事前に約束するプログラムへの加入を提案した。対照群には、提案しなかった。
結果、1社目(製造業)の検証では、(1)制度を提案された人のうち高い割合(78%)が加入した、(2)SMarTプランに加入した人の大部分(80%)が4度目の昇給まで制度を継続した、(3)SMarTプログラム参加者の平均積立率は40ヶ月間で3.5%から13.6%へ増加した。3社目でも、元々貯蓄をしていなかった人でSMarTプログラムに参加した人の3か月後の貯蓄率が、0%から5.03%に増加していた。(対照群では、0%から1.55%に増加)
対象者
主に自治体の健康や財政などの担当をしている部署の方。または企業。
ひと言メモ!
コミットメントをきれいに適用した事例です。年金や保険関連などでコミットメントを用いることができるかもしれません(大阪大学・野元)。
参考
Thaler, Richard H. and Shlomo Benartzi. “Save More Tomorrow™: Using Behavioral Economics to Increase Employee Saving.” Journal of Political Economy 112 (2004): S164 - S187.